庭園管理について(日常管理編)

お庭は生き物。
特に、中津万象園の木は300年以上のお年寄りなので、毎日毎日丁寧に寄り添いながらお手入れをしています。

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掃除

毎日2人で掃除に当たります。

一人がエンジンブロワーを使い、大まかな所を吹き集め、吹き集まった落葉や汚れのひどい場所などを掃除するのに2時間程度かかります。

落葉時期である「春、秋」などは、二人で半日〜1日程度の時間が必要です。

天候が荒れた時や「台風、突風」などは、5人で掃除をしても2日~3日程度かかり、2tダンプ2~3車程のゴミが出ます。

施設の屋根に落ちた松葉なども、定期的に掃除をしないと排水口が詰まります。

園路に設けている排水用のため升も梅雨前や台風前に中に入った土などを、取り除かないと歩けないほど浸水することがあり、点検が必要です。

◇年間のゴミ、剪定カスの量って?

年間およそ2tダンプ60車程度。1車あたり800~1000kgの積載量ですので、54,000kg(54t)の剪定ごみが出るということになります。※SDGsの取り組み参照

松の剪定

9月下旬から翌年の7月くらいまで、5人で剪定していますが、園内の松は脚立で届く松が少なく、ほとんどが梯子を掛けて木に登る剪定になります。

そのため、一人で剪定して1日で終わる木が少なく、2日~3日程度かかる松が ほとんどとなってしまいます。(結果、剪定している松すべてには一年で手が回らず、“毎年剪定する松”と“1年~3年遅れている松”があります。)

また、池側の松は、ドラム缶で作った「イカダ」を使ったり、胴長(長靴)を履いて池の中から剪定することとなりますので、通常よりも時間がかかります。

終わった後に始末する枝や葉なども、池から網ですくい上げることとなりますが、2人で作業しないと多くの時間がかかります。

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雑木、低木類の剪定

園内には40種類ほどの植木があり、うち、25種類ほどを剪定しています。

◆ツツジ、サツキ類
花が咲き終わる5月下旬~6月上旬にかけて剪定していきます。
5月下旬頃、ツツジを剪定します。ツツジは寄せ植えで多く植えられており、池側美術館裏から懐風亭までの149mほどは特に時間がかかります(剪定後の掃除まで入れると、5人で10日程度)。
6月上旬頃にサツキを剪定。剪定後の掃除までで、約4日程度かかります。

◆ボックスウッド
正門から金倉川までの145mを、サツキと同じくらいの時期に剪定。エンジントリマーを使い、5人で1日かかります。

◆ウバメガシ
場所によって時期や回数は違いますが、6月~7月となります。
管理倉庫から正門までの247m、高さ3~5mの剪定。5人で7日~10日ほど必要金倉川横からうちわミュージアムまでの160m、高さ3~4mの剪定。5人で3日~5日陶器館前 39m、高さ3m年2~3回剪定松寿関両サイド 30m、高さ3mお茶室周りと島に少しコロボックルから管理倉庫まで118m、高さ4m。3年に1回の剪定で、5人で15日ほどかかります。

◆ヤマモモ、マキ
ヤマモモが6本あり 1本あたり一人での剪定で1日ほどマキの木が42本あり 1本あたり1人での剪定で半日~1日ほどかかります。

◆ハマヒサカキ
池の周りに植えられています。5人での剪定で1回約5日程度かかり、年2回行います。

◆山茶花、椿
事務所前の山茶花以外は、枯れ枝をのけたり積もった落葉などをゆすって落とす程度です。

竹林

その年の気候によって違いますが、5月頃からタケノコが出始めるので、必要のない物を抜いたり、大きくなりすぎると竹の葉が近隣の敷地に飛んでいくのを減らすためにある程度の高さになるように先を切ったり、折ったりして調整しています。

年末には5人で2日ほどかけて、枯れた竹や曲った物などを切り取っています。

ベニヤでかさ上げした2tダンプで、2~3車位のゴミの量になります。

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病害虫の予防

◆松の予防
1月下旬、殺菌・殺虫用の薬品を散布。松に限らずすべての散布するため、5人で7時から16時くらいまで時間がかかります。乾くと白くなる薬品のため、前日から窓や壁などを覆うシートで養生し、付着した場合に水で洗い流すために、散水用ホースを伸ばしておくなどの準備が必要です。
当日は「建物にシートを張る」「水を掛ける」担当2名と、予防3名に分かれて作業しています。

5月下旬~7月上旬の間で、4回、松くい虫の予防を実施。
本数が多いので、1回の予防を大松と小松に分け、2日で行っています。
木への影響を最小限にするため、倍に希釈して薬品を使用するので、3人ずつで早朝から実施しますが、毎回交代で行うことで、なるべく「ムラ」なく散布できるよう工夫しています。

◆雑木、低木類の予防
毎年の天候によって違いますが、新芽が出始めたころから9月下旬頃までの間で、7回くらい散布。4人で、5時頃~3時くらいまでかかります。(イラガ、チャドクガ、グンバイ虫など)

◆サツキ、ツツジの予防
剪定後、来年の花芽を枯らす虫(ベニモンアオリンガ)が発生するため、6月下旬頃から2回ほど予防します。本数が多い為5人で交代しながら、朝5時~3時頃までかかります。

芝刈り

自走式芝刈り機2台で、芝生の広場7面、松林の中4面を刈り、刈払機4台を使って園路や自走式で刈れない所を刈っていきます。
毎年の気温や雨の量で変わってきますが、4月上旬~10月上旬の間で7~8回ほど実施し、1回の作業は、5人で2~3日かかります。また、刈り終わった所の掃除もあり、2~3人で2日程度かかります。

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修繕、補修や肥料など

◆園路舗装
園路などのセメントが割れたり、木の根で盛り上ったりした場所を、部分的に直したりします。継ぎはぎがひどい場合は、数十メートル単位でセメントを打ち直したり、真砂土を入れてプレートで転圧します。

◆池の乱杭
乱杭は園内に133mほど打たれていますが、年数がたつと腐ったり、傾いたりしてくるので、新しい杭に替えたり、傾いたものは一度抜いて打ち換えたりします。抗の間に隙間ができてくると、池の際が崩れてくるので石や砂利などを詰めて補修します。

◆竹垣
園内には、短いのも入れると9か所に竹垣があり、2年ほどで腐った竹を差し替えたり、シュロ縄を結びなおしたりし、4年~6年で作り直します。

◆ヘドロの除去
10年に1度くらいで、部分的に池に溜まった~ドロを除去しています。半年くらいかけて、3~4人でポンプを使い~ドロを除去しますが、根本的な解決になっておらず、ヘドロの除去は、これからの大きな問題であり、検討していかなければならない課題です。

◆肥料
2~3月の間にサツキ、ツツジ類など低木に油粕などを施肥します。特に弱っている木などは、化成肥料を追加で施肥し、松・椿・梅などは、ドリルで40cmほど穴を掘り、鶏糞や固形肥料などを埋めています。5人で行った場合、約10日~15日かかります。

◆水やり
サツキやツツジなどは、渇水に弱いため、夏場や雨の降らない日が続くと枯れてしまうことがあります。そのため、7月下旬から10月上旬までは、毎日3時から5人で散水しています。